西国三十三所は、近畿地方を中心に33か所の観音霊場を巡る、日本を代表する巡礼のひとつです。
和歌山県の第一番札所「青岸渡寺」から始まり、大阪・兵庫・京都・滋賀・奈良を巡り、岐阜県の第三十三番札所「華厳寺」で結願します。
33か所すべてを巡るとなると、移動距離も長く、山の中にある寺院や公共交通機関だけでは訪れにくい札所もあります。
ですが、一つひとつのお寺には異なる歴史や景色があり、実際に巡ってみると「御朱印を集める」だけではない楽しさがあります。
このページでは、西国三十三所の基本と、全33札所を一覧で紹介します。
また、私自身が西国三十三所を巡ろうと思ったきっかけや、実際に巡って感じたことについても紹介していきます。
私が西国三十三所を巡ろうと思ったきっかけ
西国三十三所を巡り始めたきっかけは、関西で暮らすようになったことでした。
京都・奈良・大阪・神戸などへのアクセスが良くなり、
「せっかくなので、休みの日にいろいろな場所へ行ってみよう」
と思ったものの、いわゆる有名な寺社仏閣や主だった観光地は、それまでの旅行ですでにかなり訪れていました。
そんなときに知ったのが「西国三十三所」です。
西国三十三所の札所を調べてみると、名前を知っている有名なお寺だけでなく、それまで知らなかった寺院や、まだ訪れたことのない場所が数多くありました。
「これなら、今まで知らなかった寺社仏閣にも行ける。」
そう思ったのが、巡礼を始めるきっかけでした。
当初は、関西で暮らしている間に、3年ほどかけてゆっくり33か所を巡るつもりでした。
ところが、予定より早く生活環境が変わることになり、残っていた札所はいくつか一気に巡ることに。
最後のほうは、かなり慌ただしい巡礼になりました(笑)。
それでも、振り返ってみると、西国三十三所を始めたことで、それまでなら訪れることがなかった場所へ行く機会がずいぶん増えました。
札所だけを訪れるのではなく、
「せっかくここまで来たのだから、近くの観光スポットにも行ってみよう」
ということも多く、結果として有名な観光地だけではなく、今まで知らなかった町や景色にも出会うことができました。
西国三十三所は、寺院を巡るだけでなく、旅の範囲そのものを広げてくれたきっかけだったと思います。
西国三十三所とは
西国三十三所は、観音菩薩を祀る33の札所を巡る巡礼です。
「三十三」という数字は、観音菩薩が人々を救うため、さまざまな姿に変化するとされる「三十三応現身」に由来するといわれています。
札所はひとつの県にまとまっているわけではなく、和歌山・大阪・兵庫・京都・奈良・滋賀・岐阜と広い範囲に点在しています。

そのため、一度の旅行ですべてを巡るというより、何回かに分けて少しずつ巡る楽しみ方もできます。
私自身も、旅をしながら一つずつ札所を訪れてきました。
西国三十三所を巡る楽しみ
西国三十三所というと、まず「御朱印」や「巡礼」を思い浮かべるかもしれません。
もちろん、それも大きな楽しみです。
ただ、実際に巡ってみると、それだけではありません。
歴史ある本堂や仏像、山の上からの景色、古い町並み、参道、地域ごとの食事など、それぞれの札所に違った魅力があります。
さらに、札所の周辺には有名観光地だけでなく、これまで知らなかった場所がたくさんありました。
西国三十三所を巡ることが、
「この近くに何があるんだろう?」
と調べるきっかけになり、旅の行き先そのものが増えていったように思います。
札所へ向かうまでの道のりも含めて、ひとつの旅として楽しめるのが西国三十三所の面白さです。
御朱印をいただきながら巡る
西国三十三所では、それぞれの札所で御朱印をいただくことができます。
専用の納経帳を用意して巡る方法もあれば、通常の御朱印帳にいただく方法もあります。

このブログでは、実際に各札所でいただいた御朱印の写真もあわせて紹介していきます。
御朱印を並べて振り返ると、
「このお寺はこんな場所だった」
「ここは道中が大変だった」
「この景色は印象に残っている」
と、旅の記憶も一緒に蘇ってきます。
西国三十三所 全33札所一覧
第一番 青岸渡寺
和歌山県那智勝浦町
熊野那智大社や那智の滝とあわせて訪れたい、西国三十三所の第一番札所です。
第二番 紀三井寺
和歌山県和歌山市
和歌山市を代表する寺院のひとつ。境内からの眺望も魅力です。
第三番 粉河寺
和歌山県紀の川市
広い境内と庭園で知られる古刹です。
第四番 施福寺
大阪府和泉市
山の上にあり、参拝までの道のりも印象に残る札所です。
第五番 葛井寺
大阪府藤井寺市
国宝の千手観音菩薩で知られる寺院です。
第六番 壷阪寺
奈良県高取町
山あいに建つ寺院で、大きな石仏でも知られています。
第七番 岡寺
奈良県明日香村
明日香の自然と歴史を感じられる札所です。
第八番 長谷寺
奈良県桜井市
長い登廊と四季の花で知られる寺院です。
第九番 南円堂
奈良県奈良市
興福寺境内にある札所で、奈良観光とあわせて訪れやすい場所です。
第十番 三室戸寺
京都府宇治市
花の寺として知られ、季節ごとに違った表情を楽しめます。
第十一番 上醍醐 准胝堂
京都府京都市
醍醐寺の山上に位置する札所です。
第十二番 岩間寺
滋賀県大津市
山中にある静かな札所です。
第十三番 石山寺
滋賀県大津市
紫式部ゆかりの寺としても知られる名刹です。
第十四番 三井寺
滋賀県大津市
正式名称は園城寺。広い境内を持つ歴史ある寺院です。
第十五番 今熊野観音寺
京都府京都市
京都市内にありながら、落ち着いた雰囲気の札所です。
第十六番 清水寺
京都府京都市
全国的にも有名な京都を代表する寺院です。
第十七番 六波羅蜜寺
京都府京都市
空也上人像などで知られる寺院です。
第十八番 六角堂
京都府京都市
京都中心部に位置する、聖徳太子ゆかりの寺院です。
第十九番 革堂
京都府京都市
正式名称は行願寺。京都市街地にある札所です。
第二十番 善峯寺
京都府京都市
山の斜面に広がる境内から、京都の街を見渡せます。
第二十一番 穴太寺
京都府亀岡市
静かな田園地帯にある札所です。
第二十二番 総持寺
大阪府茨木市
大阪北部にある西国三十三所の札所です。
第二十三番 勝尾寺
大阪府箕面市
「勝運」の寺として知られ、境内に多くのだるまが並びます。
→ 第二十三番 勝尾寺の記事はこちら
第二十四番 中山寺
兵庫県宝塚市
安産祈願で広く知られる寺院です。
→ 第二十四番 中山寺の記事はこちら
第二十五番 播州清水寺
兵庫県加東市
山の上に位置する自然豊かな札所です。
→ 第二十五番 播州清水寺の記事はこちら
第二十六番 一乗寺
兵庫県加西市
国宝の三重塔で知られる歴史ある寺院です。
→ 第二十六番 一乗寺の記事はこちら
第二十七番 圓教寺
兵庫県姫路市
書写山にある大寺院で、映画やドラマのロケ地としても知られています。
→ 第二十七番 圓教寺の記事はこちら
第二十八番 成相寺
京都府宮津市
天橋立を望む山の上にある札所です。
→ 第二十八番 成相寺の記事はこちら
第二十九番 松尾寺
京都府舞鶴市
京都府北部、福井県との県境近くにある札所です。
→ 第二十九番 松尾寺の記事はこちら
第三十番 宝厳寺
滋賀県長浜市・竹生島
琵琶湖に浮かぶ竹生島にある札所で、船で向かうのも楽しみのひとつです。
→ 第三十番 宝厳寺の記事はこちら
第三十一番 長命寺
滋賀県近江八幡市
琵琶湖を望む山腹に建つ札所です。
→ 第三十一番 長命寺の記事はこちら
第三十二番 観音正寺
滋賀県近江八幡市
山の上に位置し、境内からの景色も楽しめます。
→ 第三十二番 観音正寺の記事はこちら
第三十三番 華厳寺
岐阜県揖斐川町
西国三十三所の結願札所。
長い巡礼の最後を締めくくる寺院です。
→ 第三十三番 華厳寺の記事はこちら
番外札所もあります
西国三十三所には33の札所とは別に、番外札所もあります。
巡礼を進めていく中で、番外札所にも立ち寄ると、さらに巡礼の歴史を深く知ることができます。
番外札所についても、実際に訪れた場所から順次紹介していきます。
西国三十三所は何日で巡れる?
33か所すべてを巡るとなると、かなりの移動距離になります。
車で巡る場合と公共交通機関で巡る場合でも必要な日数は大きく変わります。
また、単純に札所だけを急いで回るのか、周辺の観光地や食事も楽しみながら巡るのかでも違います。
私自身は、最初から短期間で一気に巡るつもりではなく、数年かけて少しずつ訪れる予定でした。
そのため、札所だけを目的地にするのではなく、近くにある観光地や町も一緒に巡ることが多くなりました。
結果として、それまで知らなかった場所へ行く大きなきっかけにもなりました。
このブログでも、
「できるだけ効率よく回ること」
だけではなく、
「その土地を旅しながら、西国三十三所を楽しむ」
という視点で紹介していきたいと思います。
実際に巡った旅の記録も紹介します
各札所の記事では、寺院そのものの歴史や見どころを中心に紹介します。
一方、
「どのルートで行ったのか」
「その日はどこを観光したのか」
「途中でどんな場所に立ち寄ったのか」
「何を食べたのか」
といった旅の記録については、「旅する」カテゴリーで別の記事として紹介していきます。
昔の旅については、写真や御朱印を見ながら記憶を辿り、覚えているところから少しずつ記事にする予定です。
各札所の記事と旅行記を内部リンクでつなぎ、
「寺院について知りたい」
「実際の旅程を知りたい」
どちらからでも読めるようにしていきます。
西国三十三所を巡って感じたこと
西国三十三所を巡り始める前は、
「知らないお寺にも行ってみたい」
という比較的シンプルなきっかけでした。
ですが、実際に巡り始めてみると、33か所の札所はそれぞれ全く雰囲気が違いました。
街中にある札所もあれば、長い石段を登った先にある寺院、山の中にある札所、船で向かう札所もあります。
そして、その札所を目的地にしたことで、周辺の観光地や町にも足を延ばすようになりました。
もし西国三十三所を巡っていなければ、おそらく訪れることがなかった場所もかなりあります。
そう考えると、西国三十三所は単なる「寺院巡り」ではなく、私にとっては旅の範囲を広げてくれた存在だったと思います。
写真や御朱印を見返すと、その日の天気や道中の景色、食事などまで思い出すことがあります。
このシリーズでは、西国三十三所をこれから巡る方にも、すでに巡った方にも楽しんでもらえるよう、実際の体験を交えながら紹介していきます。
