西国三十三所第十四番札所、三井寺(園城寺)。
滋賀県大津市、琵琶湖の西側に広がる長等山の中腹にある古刹で、正式名称は「長等山 園城寺(おんじょうじ)」といいます。
天台寺門宗の総本山で、1200年以上の歴史の中で幾度も戦乱や焼き討ちに遭いながら、そのたびに復興を遂げたことから「不死鳥の寺」とも呼ばれています。
西国三十三所の札所となる観音堂のほか、国宝の金堂、「三井の晩鐘」、弁慶の引き摺り鐘、三重塔など見どころが多く、境内から琵琶湖を望む景色も魅力です。
三井寺(園城寺)の基本情報
所在地:滋賀県大津市園城寺町246
札所番号:西国三十三所 第十四番
山号:長等山
宗派:天台寺門宗
御本尊:如意輪観世音菩薩
開基:大友与多王
創建:朱鳥元年(686年)
駐車場:あり・有料
電話番号:077-522-2238
西国三十三所札所直通:077-524-2416
※拝観時間・料金・駐車場などは変更される場合があります。参拝前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
拝観時間・拝観料
三井寺の拝観時間は、
9:00~16:30
最終受付:16:00
です。
2026年3月1日からの入山料は、
大人:800円
中高生:500円
小学生:300円
となっています。
境内は年中無休です。文化財収蔵庫は9:30~16:30、受付終了は16:00です。
西国三十三所での位置づけ
三井寺は、西国三十三所の第十四番札所です。
第十三番・石山寺から続き、次の第十五番は京都市東山区にある今熊野観音寺です。
西国三十三所の札所となっているのは、広大な三井寺境内の南側にある観音堂。
現在の観音堂の起源は、延久4年(1072年)、後三条天皇の病気平癒を祈願して山上に堂を建て、如意輪観音を祀ったこととされています。
その後、室町時代に現在地へ移されたと伝えられています。
西国三十三所全体については、こちらの記事でまとめています。
→ 「西国三十三所とは? 全33札所一覧と実際に巡ったきっかけ」
御本尊
三井寺・観音堂の御本尊は、如意輪観世音菩薩です。
平安時代に造られた重要文化財の如意輪観音坐像で、智証大師円珍が感得した観音さまの姿を、自ら礼拝供養して彫刻したと伝えられています。
33年に一度開扉される秘仏で、西国三十三所第十四番札所の御本尊として古くから信仰を集めてきました。
歴史・由緒
三井寺の正式名称は「長等山 園城寺」です。
寺伝では、天智天皇・弘文天皇・天武天皇の勅願を受け、弘文天皇の皇子・大友与多王が寺を建立し、天武天皇から「園城」の勅額を賜ったことが始まりとされています。
「三井寺」という通称は、天智・天武・持統天皇の産湯に用いられたと伝わる霊泉があり、「御井(みい)の寺」と呼ばれたことに由来するとされています。
平安時代には、唐から帰国した智証大師円珍によって天台別院として再興され、三井寺発展の基礎が築かれました。
その後、源平の争乱や南北朝の争乱などでたびたび焼失しましたが、その都度復興。
現在も多くの国宝や重要文化財を伝える大寺院として、その歴史を受け継いでいます。
三井寺の見どころ
観音堂
西国三十三所第十四番札所となるのが観音堂です。
御本尊の如意輪観世音菩薩を祀り、西国三十三所巡礼の納経や御朱印もこちらで受けることができます。
観音堂は境内でも高い場所にあり、参拝後にさらに石段を上ると、大津市街や琵琶湖を見渡せる展望台があります。
国宝・金堂
三井寺の中心となる建物が、国宝の金堂です。
現在の金堂は慶長4年(1599年)、豊臣秀吉の正室・北政所によって再建されました。
桃山時代を代表する寺院建築のひとつで、広大な境内の中でもひときわ存在感のある建物です。
三井の晩鐘
三井寺を代表する名所のひとつが「三井の晩鐘」です。
近江八景のひとつに数えられ、その美しい音色から「音の三井寺」と呼ばれています。
「姿の平等院」「銘の神護寺」とともに「天下の三名鐘」と称され、実際に鐘をつくこともできます。
弁慶の引き摺り鐘
霊鐘堂には、「弁慶の引き摺り鐘」と呼ばれる大きな鐘があります。
伝承では、武蔵坊弁慶が三井寺から鐘を奪い、比叡山まで引き摺り上げたものの、鐘が「イノー、イノー」と三井寺へ帰りたがるような音を出したため、怒った弁慶が谷底へ投げ捨てたとされています。
鐘には、そのときについたと伝わる傷が今も残されています。
唐院・三重塔
唐院は、三井寺を中興した智証大師円珍を祀る、境内でも特に重要な場所です。
その奥に建つ三重塔は、奈良の世尊寺から移築されたもので、重要文化財に指定されています。
周囲には歴史ある堂宇が並び、三井寺らしい落ち着いた雰囲気を味わえます。
琵琶湖を望む展望台
観音堂からさらに石段を上った場所には展望台があります。
眼下には大津市街と琵琶湖が広がり、三井寺が琵琶湖を見守るような場所に建っていることを実感できます。
松尾芭蕉や正岡子規など、多くの文人もこの景色を愛したと伝えられています。
桜
三井寺は、滋賀県を代表する桜の名所のひとつでもあります。
春になると、境内には1,000本を超えるソメイヨシノや山桜、しだれ桜が咲き、参道や堂塔が桜に包まれます。
西国三十三所巡礼とあわせて季節の景色を楽しめるのも、三井寺の大きな魅力です。
御朱印・納経
三井寺では、西国三十三所第十四番札所の御朱印をいただくことができます。
納経時間は、
9:00~16:30
です。
西国三十三所の御朱印は観音堂でいただくことができ、「大悲殿」の御朱印が授与されています。
実際にいただいた御朱印

西国三十三所を巡った際に、実際にいただいた御朱印です。
札所ごとに異なる墨書や朱印を見比べることも、西国三十三所巡礼の楽しみのひとつです。
アクセス
公共交通機関の場合は、京阪石山坂本線「三井寺駅」から徒歩約7分です。
「大津市役所前駅」からは徒歩約12分。
JR大津駅またはJR大津京駅からは、京阪バスを利用して「三井寺」バス停で下車すると、境内近くまで行くことができます。
京都駅からはJRで大津京駅へ向かい、京阪電車に乗り換えて三井寺駅へ向かうルートも利用できます。
駐車場
駐車場:あり・有料
三井寺には、大型バス30台・乗用車350台を収容できる駐車場があります。
2026年3月1日以降の駐車料金は、
自家用車:600円
中型:2,000円
大型:3,000円
となっています。
桜や紅葉の時期、イベント開催時は混雑するため、公共交通機関の利用もおすすめです。
参拝時に知っておきたいこと
三井寺は境内が非常に広く、仁王門、金堂、三井の晩鐘、弁慶の引き摺り鐘、唐院、三重塔、観音堂など、見どころが境内各所に点在しています。
西国三十三所の御朱印だけを目的に急いで参拝するより、時間に余裕を持って境内を巡るのがおすすめです。
特に観音堂は仁王門や金堂から少し離れた高台にあるため、石段や坂道を歩きます。
観音堂まで参拝したら、その先の展望台まで足を延ばして、琵琶湖の景色も楽しんでみてください。
西国三十三所まとめはこちら
西国三十三所を巡り始めたきっかけや、全33札所、巡礼地図、納経帳などはこちらの記事でまとめています。
→ 「西国三十三所とは? 全33札所一覧と実際に巡ったきっかけ」
実際に訪れた旅行記はこちら
実際に参拝したときのルートや周辺観光、食事などについては、「旅する」カテゴリーで順次紹介していきます。
