西国三十三所第三十番札所、竹生島 宝厳寺。
滋賀県長浜市、琵琶湖の北部に浮かぶ竹生島にある古刹で、正式には「巌金山 宝厳寺」といいます。
神亀元年(724年)、聖武天皇の勅願によって行基が開いたと伝えられ、観音堂の御本尊は千手千眼観世音菩薩。
竹生島へは船でしか渡ることができず、西国三十三所の中でも特に旅情を感じられる札所です。
境内には国宝の唐門、重要文化財の観音堂・舟廊下、三重塔、大弁才天堂などがあり、琵琶湖の美しい景色とあわせて楽しめます。
竹生島 宝厳寺の基本情報
所在地:滋賀県長浜市早崎町 竹生島
札所番号:西国三十三所 第三十番
山号:巌金山
宗派:真言宗豊山派
御本尊:千手千眼観世音菩薩(観音堂)
開基:行基菩薩
創建:神亀元年(724年)
駐車場:島内なし
※長浜・彦根・今津の各港に駐車場あり
電話番号:0749-63-4410
※拝観時間・船の運航時間・入島料などは変更される場合があります。参拝前に宝厳寺公式サイトと各船会社の最新情報をご確認ください。
拝観時間・拝観料
宝厳寺の拝観・納経時間は、
9:30~16:30
です。
ただし、観光船の就航時間に基づくため、季節や運航状況によって変わる場合があります。
宝厳寺そのものの拝観料は無料です。
ただし竹生島へ渡るための往復乗船料と、島へ上陸する際の入島料が別途必要です。
西国三十三所札所会では、竹生島の入島料を、
大人:600円
小人:300円
と案内しています。
宝物殿を拝観する場合は、
大人:300円
小人:250円
です。
西国三十三所での位置づけ
竹生島 宝厳寺は、西国三十三所の第三十番札所です。
第二十九番・松尾寺から続き、次の第三十一番は滋賀県近江八幡市にある長命寺です。
西国三十三所の中でも、湖上の島へ船で渡って参拝する札所は宝厳寺だけ。
琵琶湖の湖上を船で進み、島へ上陸して石段を上る参拝そのものが、巡礼の大きな思い出になります。
西国三十三所全体については、こちらの記事でまとめています。
→ 「西国三十三所とは? 全33札所一覧と実際に巡ったきっかけ」
御本尊
西国三十三所第三十番札所・観音堂の御本尊は、千手千眼観世音菩薩です。
宝厳寺にはもう一つ、本堂である弁才天堂に大弁才天が祀られています。
寺伝では、聖武天皇が天照皇大神のお告げを受け、行基を竹生島へ派遣。
行基は大弁才天像を本尊として祀り、その翌年に観音堂の建立を発願したと伝えられています。
その後、千手千眼観世音菩薩が観音堂に安置され、西国三十三所第三十番札所として信仰を集めるようになりました。
歴史・由緒
宝厳寺は、神亀元年(724年)、聖武天皇の勅願によって創建されたと伝えられています。
聖武天皇の夢枕に天照皇大神が現れ、琵琶湖の島に弁才天を祀る寺院を建立するよう告げたことが始まりとされています。
勅使として竹生島へ渡った行基が堂塔を開き、大弁才天像を安置。
その後、伝教大師・最澄や弘法大師・空海も竹生島を訪れたと伝えられています。
豊臣秀吉・秀頼との関係も深く、慶長年間には豊臣秀吉の遺命によって、京都・豊国廟から唐門や観音堂などが移築されました。
明治時代の神仏分離では廃寺の危機を迎えましたが、多くの信者の願いによって宝厳寺は存続。
現在も竹生島神社と隣接し、神仏習合の歴史を感じられる場所となっています。
竹生島 宝厳寺の見どころ
観音堂
西国三十三所第三十番札所となるのが観音堂です。
御本尊の千手千眼観世音菩薩を祀り、西国三十三所の参拝・納経の中心となります。
現在の観音堂は慶長8年(1603年)頃の建築とされ、国の重要文化財に指定されています。
斜面に建つため、一部が懸造りとなっているのも特徴です。
国宝・唐門
宝厳寺を代表する建築物が、国宝の唐門です。
桃山時代らしい極彩色と黒漆、金具で飾られた豪華な門で、豊臣秀吉ゆかりの建築として知られています。
公式解説では、大坂城から京都・豊国廟へ移され、その後竹生島へ移築された可能性が高く、「秀吉時代の大坂城の唯一現存する建物」として注目されています。
平成25年度から大規模な保存修理が行われ、令和2年(2020年)に美しい桃山様式の姿がよみがえりました。
舟廊下
観音堂と都久夫須麻神社をつないでいるのが「舟廊下」です。
国の重要文化財に指定されています。
豊臣秀吉が朝鮮出兵の際に使用した御座船「日本丸」の船櫓を利用して建てたという伝承から、「舟廊下」と呼ばれています。
山の斜面に柱を組んだ長い渡り廊下で、竹生島ならではの歴史ある建築です。
弁才天堂
宝厳寺の本堂にあたるのが弁才天堂です。
御本尊は大弁才天。
竹生島の弁才天は、日本三弁才天の一つとして信仰されており、宝厳寺は「竹生島弁才天」としても広く知られています。
現在の本堂は昭和17年(1942年)に再建されたものです。
三重塔
境内には鮮やかな朱色の三重塔があります。
現在の三重塔は平成12年(2000年)に再建されたもの。
緑豊かな竹生島の中で、朱色の塔がよく映え、宝厳寺を象徴する景観のひとつとなっています。
琵琶湖と竹生島の景色
宝厳寺の参拝は、寺院だけでなく竹生島そのものが大きな見どころです。
船上から徐々に近づいてくる竹生島の姿や、島から眺める琵琶湖の景色は、西国三十三所の中でも特に印象的です。
参拝の前後に船旅まで楽しめるのが、第三十番札所ならではの魅力です。
御朱印・納経
宝厳寺では、西国三十三所第三十番札所の御朱印をいただくことができます。
納経時間は、
9:30~16:30
です。
宝厳寺では、
大弁才天の御朱印
西国三十三所第三十番・千手千眼観世音菩薩の御朱印「大悲殿」
御詠歌の御朱印
などが授与されています。
西国三十三所巡礼の場合は、第三十番札所の「大悲殿」の御朱印をお願いすると分かりやすいでしょう。
実際にいただいた御朱印

西国三十三所を巡った際に、実際にいただいた御朱印です。
札所ごとに異なる墨書や朱印を見比べることも、西国三十三所巡礼の楽しみのひとつです。
アクセス
竹生島へは、船で渡ります。
主な出発港は、
長浜港
今津港
彦根港
です。
長浜港・今津港からは琵琶湖汽船、彦根港からはオーミマリンが運航しています。
各港から竹生島までの所要時間は、
約25~40分
が目安です。
長浜港はJR長浜駅から徒歩約10分。
今津港はJR近江今津駅から徒歩約5分。
彦根港はJR彦根駅からタクシー約5分、またはバス約20分です。
駐車場
竹生島内には一般車両用の駐車場はありません。
車で訪れる場合は、船に乗る港の駐車場を利用します。
長浜・彦根・今津の各港には駐車場があり、宝厳寺公式サイトでは港によって約30~100台と案内されています。
参拝時に知っておきたいこと
竹生島 宝厳寺は、船の運航時間を考えて参拝する必要があります。
一般的な札所と違い、「閉門時間までに着けばよい」というわけではなく、往復する船の時刻を確認したうえで参拝計画を立てることが重要です。
強風や悪天候によって船が欠航する場合もあります。
また、島内は石段が多く、港から観音堂や弁才天堂へ向かう際にはかなり階段を上ります。
歩きやすい靴で訪れるのがおすすめです。
船の運航ダイヤは季節によって変わるため、参拝前には必ず各船会社の最新時刻表を確認してください。
西国三十三所まとめはこちら
西国三十三所を巡り始めたきっかけや、全33札所、巡礼地図、納経帳などはこちらの記事でまとめています。
「西国三十三所とは? 全33札所一覧と実際に巡ったきっかけ」
実際に訪れた旅行記はこちら
実際に参拝したときの船のルートや竹生島での滞在時間、周辺観光、食事などについては、「旅する」カテゴリーで順次紹介していきます。
