西国三十三所第三十二番札所、観音正寺。
滋賀県近江八幡市、標高約433mの繖山(きぬがさやま)山頂近くにある古刹で、正式には「繖山 観音正寺」といいます。
聖徳太子によって開かれたと伝えられ、御本尊は千手千眼観世音菩薩。
山上の境内からは安土山や西の湖、蒲生野を一望でき、その立地から「天空の寺」とも呼ばれています。
また、聖徳太子が人魚の願いを聞いて寺を建立したという珍しい伝承が残されていることでも知られています。
観音正寺の基本情報
所在地:滋賀県近江八幡市安土町石寺2
札所番号:西国三十三所 第三十二番
山号:繖山
宗派:繖観世音宗
御本尊:千手千眼観世音菩薩
開基:聖徳太子
創建:推古天皇13年(605年)
駐車場:あり(表・裏参道あわせて約25台)
電話番号:0748-46-2549
※拝観時間・料金・林道の通行状況などは変更される場合があります。参拝前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
拝観時間・拝観料
観音正寺の拝観時間は、
8:00~17:00
です。
納経時間も、
8:00~17:00
となっています。
2026年5月1日からの拝観料は、
大人(高校生以上):800円
小・中学生:500円
未就学児:無料
です。
西国三十三所での位置づけ
観音正寺は、西国三十三所の第三十二番札所です。
第三十一番・長命寺から続き、次はいよいよ満願札所となる第三十三番・谷汲山 華厳寺です。
三十三所巡礼も終盤に入り、残すところあと一か所。
観音正寺は標高約433mの繖山に位置し、山上へ向かう参道そのものにも巡礼らしい雰囲気があります。
西国三十三所全体については、こちらの記事でまとめています。
→ 「西国三十三所とは? 全33札所一覧と実際に巡ったきっかけ」
御本尊
観音正寺の御本尊は、千手千眼観世音菩薩です。
現在の御本尊は、インド政府の特別許可を受けて輸入された白檀を使って造られた巨大な坐像。
白檀原木約23トンを使用し、像高は約6.3m、座高は約3.5mとされています。
平成5年(1993年)の火災によって旧本堂と御本尊が焼失した後、復興の象徴として造立され、平成16年(2004年)に開眼されました。
本堂内には白檀の香りが漂い、観音正寺ならではの印象的な参拝空間となっています。
歴史・由緒
観音正寺は、推古天皇13年(605年)、聖徳太子によって開かれたと伝えられています。
寺伝では、近江国を巡っていた聖徳太子が湖から現れた人魚と出会ったことが始まりとされています。
人魚は、前世で漁師として殺生を重ねたため現在の姿になったと語り、自分を成仏させるため繖山に寺を建ててほしいと願いました。
聖徳太子はその願いを聞き入れ、自ら千手観音像を刻み、堂塔を建立したと伝えられています。
その後、観音正寺は近江を代表する観音霊場として発展。
戦国時代には、近江守護・佐々木六角氏が繖山に観音寺城を築いたため、兵乱に巻き込まれる時期もありました。
平成5年(1993年)には火災によって本堂と御本尊を焼失。
現在の本堂は平成16年(2004年)に再建され、新しい千手千眼観世音菩薩坐像が安置されています。
観音正寺の見どころ
本堂
観音正寺の中心となるのが本堂です。
平成5年(1993年)の火災で旧本堂が焼失した後、平成16年(2004年)に現在の本堂が再建されました。
堂内には総白檀の巨大な千手千眼観世音菩薩坐像が安置され、西国三十三所第三十二番札所として多くの巡礼者が参拝します。
総白檀の千手千眼観世音菩薩
観音正寺最大の見どころのひとつが、現在の御本尊です。
インドから特別に輸入された白檀約23トンを使って造られた、日本最大級の千手千眼観世音菩薩坐像。
巨大な観音像を間近で拝むことができ、白檀特有の香りに包まれた堂内も印象的です。
聖徳太子と人魚伝説
観音正寺には、日本でも珍しい「人魚伝説」が残されています。
前世の殺生の報いによって人魚になったという者が、聖徳太子に救いを求めたことが寺の創建につながったという伝承です。
かつて寺には人魚のミイラと伝えられるものも保管されていましたが、平成5年の火災で焼失。
現在は、残された資料や写真によって伝承を知ることができます。
仁王像
長い参道を進んだ先では、二体の大きな仁王像が参拝者を迎えます。
一般的な山門ではなく、参道の両側に仁王像が直接立つ姿が特徴的です。
山上の霊場へ入っていく雰囲気を強く感じられる場所です。
奥之院
境内の奥には、聖徳太子ゆかりの奥之院があります。
寺伝では、聖徳太子が巨岩の上で天人が舞う姿を見て、その岩を「天楽石」と名付けたとされています。
巨木と巨岩が点在する場所で、観音正寺のさらに古い山岳信仰の雰囲気を感じられます。
天空の寺から望む絶景
観音正寺は繖山山頂近くにあるため、境内からは広い景色を望むことができます。
眼下には蒲生野が広がり、安土城跡のある安土山や西の湖なども見渡せます。
標高約433mの山上から眺める景色は、「天空の寺」と呼ばれる観音正寺を象徴する見どころです。
御朱印・納経
観音正寺では、西国三十三所第三十二番札所の御朱印をいただくことができます。
納経時間は、
8:00~17:00
です。
実際にいただいた御朱印

西国三十三所を巡った際に、実際にいただいた御朱印です。
札所ごとに異なる墨書や朱印を見比べることも、西国三十三所巡礼の楽しみのひとつです。
アクセス
公共交通機関の場合は、JR琵琶湖線「能登川駅」から近江鉄道バス神崎線・八日市駅行きを利用します。
「観音寺口」バス停で下車し、徒歩約40分です。
JR安土駅・JR近江八幡駅から観音正寺方面への路線バスは運行されていないため注意が必要です。
車の場合は、表参道と裏参道の2ルートがあります。
駐車場
駐車場:あり
表参道・裏参道をあわせて約25台分が案内されています。
裏参道の場合は、山上駐車場から観音正寺まで徒歩約10分。
表参道の場合は、駐車場から約400段の石段を上って境内へ向かいます。
林道には通行可能時間が設定されています。
裏参道の五個荘林道は、
8:00~16:30
表参道の石寺林道は、
9:00~16:00
が通行可能時間です。
また、表参道は冬季の12月下旬から3月初旬まで通行止めとなります。
参拝時に知っておきたいこと
観音正寺は山上にあるため、どのルートを利用するかによって参拝の負担が大きく変わります。
裏参道の山上駐車場を利用すれば徒歩約10分で境内へ向かえますが、表参道からは約400段の石段を上ります。
公共交通機関の場合も、観音寺口バス停から徒歩約40分かかるため、歩きやすい靴がおすすめです。
また、林道は大雨や台風、積雪などで通行止めになる場合があります。
実際に2026年も大雨や台風による一時的な表参道の通行止めが発生しているため、参拝前には公式サイトの「本日の参拝情報」を確認しておくと安心です。
西国三十三所まとめはこちら
西国三十三所を巡り始めたきっかけや、全33札所、巡礼地図、納経帳などはこちらの記事でまとめています。
「西国三十三所とは? 全33札所一覧と実際に巡ったきっかけ」
実際に訪れた旅行記はこちら
実際に参拝したときのルートや石段の様子、周辺観光、食事などについては、「旅する」カテゴリーで順次紹介していきます。
