西国三十三所第十七番札所、六波羅蜜寺。
京都市東山区、清水寺や祇園にも近い市街地にある古刹で、正式には「補陀洛山 六波羅蜜寺」といいます。
「市の聖」と呼ばれた空也上人によって開かれた寺院で、御本尊は十一面観世音菩薩。
西国三十三所の札所としてだけでなく、空也上人立像や平清盛坐像など、平安・鎌倉時代を代表する仏像を伝える寺としても知られています。
六波羅蜜寺の基本情報
所在地:京都府京都市東山区ロクロ町81-1
札所番号:西国三十三所 第十七番
山号:補陀洛山
宗派:真言宗智山派
御本尊:十一面観世音菩薩
開基:空也上人
創建:天暦5年(951年)
駐車場:あり・4台
電話番号:075-561-6980
※拝観時間・料金・駐車場などは変更される場合があります。参拝前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
拝観時間・拝観料
六波羅蜜寺の通常の拝観時間は、
8:30~16:30
です。
境内への入山は無料です。
文化財収蔵庫「令和館」は、
9:00~16:15
最終受付:16:00
となっています。
令和館の拝観料は、
大人:600円
大学生・高校生・中学生:500円
小学生:400円
です。
西国三十三所での位置づけ
六波羅蜜寺は、西国三十三所の第十七番札所です。
第十六番・清水寺から続き、次の第十八番は京都市中京区にある六角堂 頂法寺です。
第十五番から第十九番までは京都市内に札所が集中しており、徒歩や公共交通機関を組み合わせて巡りやすい区間です。
清水寺から六波羅蜜寺も比較的近く、京都市内巡礼の流れの中で立ち寄りやすい札所です。
西国三十三所全体については、こちらの記事でまとめています。
→ 「西国三十三所とは? 全33札所一覧と実際に巡ったきっかけ」
御本尊
六波羅蜜寺の御本尊は、十一面観世音菩薩です。
空也上人が京都に流行した疫病を鎮めるため、自ら刻んだと伝えられる観音像で、国宝に指定されています。
普段は本堂中央の厨子に納められている秘仏で、十二年に一度、辰年に御開帳されます。
空也上人は、この十一面観音像を車に乗せて京都の町を巡り、念仏を唱えながら病人に茶を授けたと伝えられています。
歴史・由緒
六波羅蜜寺は、天暦5年(951年)、空也上人によって開かれました。
当時の京都では疫病が流行しており、空也上人は自ら十一面観音像を刻み、その像を車に安置して市中を巡りました。
青竹を割って茶を立て、梅干しと昆布を入れた茶を病人に授けながら念仏を唱え、疫病退散を祈願したと伝えられています。
この伝承は、現在も正月に授与される「皇服茶」として受け継がれています。
空也上人の没後、高弟の中信上人によって寺域が拡大。
平安時代後期には、平忠盛・平清盛・平重盛ら平家一門の邸宅が周辺に建ち並び、この一帯は平家の政治・軍事の中心地となりました。
寿永2年(1183年)、平家都落ちの際には多くの堂宇が焼失しましたが、本堂は焼失を免れました。
その後も源平争乱、南北朝、室町期の戦乱などを経験しながら修復が重ねられ、現在の本堂は貞治2年(1363年)に修営されたものです。
六波羅蜜寺の見どころ
本堂
六波羅蜜寺の中心となる本堂には、御本尊の国宝・十一面観世音菩薩が安置されています。
現在の本堂は南北朝時代の貞治2年(1363年)に修営されたもの。
明治以降に荒廃しましたが、昭和44年(1969年)の開創1000年を記念して解体修理が行われ、鮮やかな朱塗りの姿が復元されました。
空也上人立像
六波羅蜜寺を代表する寺宝のひとつが、重要文化財の空也上人立像です。
鎌倉時代、運慶の四男・康勝によって造られた像で、念仏を唱える空也上人の口から六体の阿弥陀如来が現れるという、非常に印象的な姿で表現されています。
六体の阿弥陀は「南無阿弥陀仏」の六文字を表したものとされ、空也上人の念仏信仰を象徴する像です。
現在は文化財収蔵庫「令和館」で拝観できます。
平清盛坐像
六波羅蜜寺には、重要文化財の平清盛坐像も伝わっています。
六波羅周辺は平安時代後期、平家一門の本拠地となった場所。
経巻を手にした清盛の姿が表現されており、『平家物語』に描かれる武将としてのイメージとは異なる、仏門に帰依した人物としての姿を見ることができます。
空也上人立像とともに令和館で拝観できます。
令和館
令和館は、六波羅蜜寺が所蔵する文化財を収蔵・展示する施設です。
2022年に開館し、空也上人立像、平清盛坐像、薬師如来坐像など、重要文化財14体を含む17体の仏像が公開されています。
六波羅蜜寺を訪れたら、本堂参拝だけでなく、ぜひあわせて見ておきたい場所です。
銭洗い弁財天
六波羅蜜寺は、都七福神のひとつ「巳成金弁財天」でも知られています。
境内には銭洗い弁財天があり、金運や財運を願って参拝する人も多く訪れます。
西国三十三所巡礼とはまた異なる信仰に触れられるのも、六波羅蜜寺の特徴です。
空也踊躍念仏
六波羅蜜寺では、空也上人の念仏信仰を伝える「空也踊躍念仏」が現在も受け継がれています。
重要無形民俗文化財に指定されており、毎年12月に本堂で厳修されています。
千年以上前の空也上人の信仰が、現在も行事として残っていることを感じられます。
御朱印・納経
六波羅蜜寺では、西国三十三所第十七番札所の御朱印をいただくことができます。
通常の納経時間は、
8:30~16:30
です。
六波羅蜜寺では、西国三十三所のほか、都七福神など複数の御朱印があります。
西国三十三所巡礼の場合は、第十七番札所の御朱印であることを伝えると分かりやすいでしょう。
実際にいただいた御朱印

西国三十三所を巡った際に、実際にいただいた御朱印です。
札所ごとに異なる墨書や朱印を見比べることも、西国三十三所巡礼の楽しみのひとつです。
アクセス
公共交通機関の場合は、京阪本線「清水五条駅」から徒歩約7分です。
阪急京都線「京都河原町駅」からは徒歩約15分。
京都駅から市バス206系統を利用する場合は、「清水道」バス停で下車し、徒歩約7分です。
清水寺からも比較的近いため、第十六番・清水寺とあわせて徒歩で巡ることもできます。
駐車場
駐車場:あり
六波羅蜜寺公式サイトでは、4台分の駐車場が用意されています。
ただし台数が非常に少なく、周辺は京都市内でも観光客や車の多いエリアです。
公共交通機関でのアクセスが良いため、特に休日や観光シーズンは電車やバスの利用がおすすめです。
参拝時に知っておきたいこと
六波羅蜜寺は、京都市街地にある比較的コンパクトな札所です。
清水寺のように広い境内を長時間歩く必要はありませんが、本堂だけでなく令和館も見学するなら、少し余裕を持って訪れるのがおすすめです。
特に空也上人立像や平清盛坐像は、六波羅蜜寺を代表する文化財。
西国三十三所の参拝だけで終わらせず、令和館まで見学すると、寺院の歴史や六波羅という土地の背景がより分かりやすくなります。
また、清水寺、六波羅蜜寺、六角堂など京都市内の札所は比較的距離が近いため、一日の巡礼ルートとして組み合わせることもできます。
西国三十三所まとめはこちら
西国三十三所を巡り始めたきっかけや、全33札所、巡礼地図、納経帳などはこちらの記事でまとめています。
→ 「西国三十三所とは? 全33札所一覧と実際に巡ったきっかけ」
実際に訪れた旅行記はこちら
実際に参拝したときのルートや周辺観光、食事などについては、「旅する」カテゴリーで順次紹介していきます。
