西国三十三所第十五番札所、今熊野観音寺。
京都市東山区、泉涌寺の山内にある古刹で、正式には「新那智山 今熊野観音寺」といいます。
弘法大師・空海によって開かれたと伝えられ、御本尊は十一面観世音菩薩。
後白河法皇の頭痛を平癒したという伝承から、古くから「頭の観音さん」として親しまれ、頭痛封じ、病気平癒、智慧授け、ぼけ封じなどを願う多くの参拝者が訪れています。
境内は東山の自然に囲まれ、朱塗りの鳥居橋、本堂、ぼけ封じ観音、医聖堂などがあり、秋には紅葉の美しい札所としても知られています。
今熊野観音寺の基本情報
所在地:京都府京都市東山区泉涌寺山内町32
札所番号:西国三十三所 第十五番
山号:新那智山
宗派:真言宗泉涌寺派
御本尊:十一面観世音菩薩
開基:弘法大師
創建:天長年間(824~834年)
駐車場:あり(約10台)
電話番号:075-561-5511
※拝観時間・交通情報などは変更される場合があります。参拝前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
拝観時間・拝観料
今熊野観音寺の拝観時間は、
8:00~17:00
です。
納経時間も、
8:00~17:00
となっています。
入山料は無料です。
境内を自由に参拝できるため、西国三十三所巡礼だけでなく、泉涌寺や東福寺など周辺の寺院とあわせて訪れやすい札所です。
西国三十三所での位置づけ
今熊野観音寺は、西国三十三所の第十五番札所です。
第十四番・三井寺(園城寺)から続き、次の第十六番は京都を代表する観光名所でもある清水寺です。
ここから西国三十三所巡礼は、京都市内の札所が続きます。
第十五番・今熊野観音寺、第十六番・清水寺、第十七番・六波羅蜜寺、第十八番・六角堂 頂法寺、第十九番・革堂 行願寺と、京都市内に札所が集中しています。
西国三十三所全体については、こちらの記事でまとめています。
→ 「西国三十三所とは? 全33札所一覧と実際に巡ったきっかけ」
御本尊
今熊野観音寺の御本尊は、十一面観世音菩薩です。
寺伝では、弘法大師が熊野権現から授かった一寸八分の観音像を体内仏として、自ら一尺八寸の十一面観世音菩薩を彫刻したと伝えられています。
御本尊は秘仏で、古くから厄除開運、頭痛封じ、病気平癒、智慧授けなどの観音さまとして厚い信仰を集めています。
特に後白河法皇の頭痛を平癒したという伝承から、「頭の観音さん」として広く知られるようになりました。
歴史・由緒
今熊野観音寺は、天長年間(824~834年)頃、嵯峨天皇の勅願によって弘法大師・空海が開いたと伝えられています。
寺伝では、弘法大師がこの地で熊野権現と出会い、一寸八分の十一面観音像を授かったとされています。
大師はその観音像を体内仏として、自ら十一面観世音菩薩を彫刻し、堂宇を建立して祀ったことが今熊野観音寺の始まりと伝えられています。
その後、熊野信仰に篤かった後白河上皇がこの地を深く信仰。
紀州熊野になぞらえて「新那智山」と号し、「今熊野観音寺」と呼ばれるようになりました。
後白河法皇は長年激しい頭痛に悩まされていましたが、今熊野観音に祈願したところ、夢の中に観音さまが現れて光を差しかけ、頭痛が平癒したと伝えられています。
この伝承から、今熊野観音寺は「頭痛封じの観音さま」として広く信仰を集めるようになりました。
今熊野観音寺の見どころ
本堂
今熊野観音寺の中心となるのが本堂です。
御本尊の十一面観世音菩薩を祀り、西国三十三所第十五番札所として多くの巡礼者が参拝します。
「頭の観音さん」として知られ、頭痛平癒や病気平癒、智慧授け、学業成就などを願う参拝者も多く訪れます。
西国三十三所の納経や御朱印も、本堂周辺の寺務所で受けることができます。
鳥居橋
泉涌寺の参道から今熊野観音寺へ向かう途中に現れる、朱塗りの橋が「鳥居橋」です。
今熊野川に架かる鮮やかな赤い橋で、今熊野観音寺を象徴する景観のひとつ。
古くからこの地に熊野権現社が祀られていたことが、橋の名前の由来ともいわれています。
周囲の緑や秋の紅葉と朱色の橋が美しく調和し、境内へ向かう参道の印象的な場所です。
ぼけ封じ観音
大師堂の前には、「ぼけ封じ観音」が立っています。
今熊野観音寺は、ぼけ封じ近畿十楽観音霊場の第一番札所でもあります。
健康長寿やぼけ封じ、病気平癒などを願う参拝者が多く訪れ、「お引き受け御宝珠」に願い事を書いて奉納することもできます。
子護大師
境内には「子護大師」が祀られています。
今熊野観音寺を開いた弘法大師が、子どもたちを護り育んでくださる姿として祀られたものです。
子どもの身体健康、学業成就、諸芸上達、交通安全などを願う場所となっています。
五智の井
境内には「五智の井」と呼ばれる井戸があります。
弘法大師ゆかりの霊水として伝えられ、今熊野観音寺の長い歴史を感じることができる場所のひとつです。
山の緑に囲まれた境内には、こうした弘法大師ゆかりの場所が点在しています。
医聖堂
境内の高台には「医聖堂」があります。
多宝塔のような姿をした建物で、医学の発展に貢献した人々を顕彰するために建立されました。
「頭の観音さん」として病気平癒を願う信仰を集めてきた今熊野観音寺らしい建物のひとつです。
境内の高い場所にあるため、周囲の景色とあわせて楽しむことができます。
紅葉
今熊野観音寺は、京都の紅葉の名所としても知られています。
秋になると、境内を包むモミジが赤や黄色に染まり、朱色の鳥居橋や本堂との美しい景観を楽しめます。
京都市内にありながら比較的静かな環境で紅葉を楽しめるのも、今熊野観音寺の魅力です。
御朱印・納経
今熊野観音寺では、西国三十三所第十五番札所の御朱印をいただくことができます。
納経時間は、
8:00~17:00
です。
今熊野観音寺では、西国三十三所のほか、洛陽三十三所観音霊場、ぼけ封じ近畿十楽観音霊場などの札所にもなっているため、複数の御朱印があります。
西国三十三所巡礼の場合は、第十五番札所の御朱印であることを伝えると分かりやすいでしょう。
実際にいただいた御朱印

西国三十三所を巡った際に、実際にいただいた御朱印です。
札所ごとに異なる墨書や朱印を見比べることも、西国三十三所巡礼の楽しみのひとつです。
アクセス
公共交通機関の場合は、JR奈良線・京阪本線「東福寺駅」から徒歩約15分です。
京都駅から市バス208系統を利用する場合は、「泉涌寺道」バス停で下車し、徒歩約10分。
京阪「祇園四条駅」からは市バス207系統を利用し、「泉涌寺道」下車後、徒歩約10分です。
京都駅からタクシーを利用する場合は、約5分が目安です。
駐車場
駐車場:あり
西国三十三所札所会では、約10台駐車可能と案内されています。
車の場合は、泉涌寺道から泉涌寺総門を通り、参道を進んで今熊野観音寺へ向かいます。
途中で道が分かれるため、石灯籠のある場所から左へ入り、朱塗りの鳥居橋を渡ると参拝者用駐車場があります。
境内周辺の道路は細い場所もあるため、歩行者や対向車には注意が必要です。
参拝時に知っておきたいこと
今熊野観音寺は入山無料で、京都市内の札所の中でも比較的気軽に参拝できます。
東福寺駅から徒歩約15分、泉涌寺道バス停から徒歩約10分と公共交通機関でのアクセスも良好です。
また、今熊野観音寺は泉涌寺の山内に位置しています。
泉涌寺や東福寺など周辺には歴史ある寺院が多いため、時間に余裕があれば周辺散策と組み合わせるのもおすすめです。
秋の紅葉シーズンは参拝者が増えるため、ゆっくり境内を巡りたい場合は早めの時間帯に訪れるとよいでしょう。
西国三十三所まとめはこちら
西国三十三所を巡り始めたきっかけや、全33札所、巡礼地図、納経帳などはこちらの記事でまとめています。
→ 「西国三十三所とは? 全33札所一覧と実際に巡ったきっかけ」
実際に訪れた旅行記はこちら
実際に参拝したときのルートや周辺観光、食事などについては、「旅する」カテゴリーで順次紹介していきます。
