西国三十三所の番外札所、法起院。
奈良県桜井市、長谷寺へ向かう参道の途中にある小さな寺院で、正式には「豊山 法起院」といいます。
西国三十三所を草創したと伝えられる徳道上人が晩年を過ごした場所とされ、境内には徳道上人像や御廟の十三重石塔が残されています。
三十三の本札所には含まれませんが、西国三十三所巡礼の始まりを知るうえで非常に重要な番外札所です。徳道上人は養老2年(718年)、閻魔大王から三十三の宝印と起請文を授かり、観音霊場巡礼の礎を築いたと伝えられています。
法起院の基本情報
所在地:奈良県桜井市初瀬776
札所番号:西国三十三所 番外札所
山号:豊山
宗派:真言宗豊山派
御本尊:徳道上人像
開基:徳道上人
駐車場:あり・6台
電話番号:0744-47-8032
※拝観時間・行事などは変更される場合があります。参拝前に最新情報をご確認ください。
拝観時間・拝観料
法起院の拝観時間は季節によって異なります。
3月20日~11月30日:8:30~17:00
12月1日~3月19日:9:00~16:30
拝観料は、
無料
です。
年中無休と案内されています。
西国三十三所での位置づけ
法起院は、西国三十三所の「番外札所」です。
三十三の本札所には含まれませんが、西国三十三所を開いたと伝えられる徳道上人が晩年を過ごした場所であることから、巡礼者にとって非常に重要な寺院となっています。
西国三十三所札所会によると、徳道上人は病で仮死状態となった際、冥土で閻魔大王から三十三の観音霊場を開くよう告げられ、起請文と三十三の宝印を授かったと伝えられています。
奈良県の観光資料でも、法起院は徳道上人ゆかりの番外札所として紹介され、花山法皇ゆかりの寺院とともに、西国三十三所巡礼であわせて参拝される寺院とされています。
第8番・長谷寺の門前にあるため、長谷寺参拝とあわせて訪れやすい番外札所です。
西国三十三所全体については、こちらの記事でまとめています。
→ 「西国三十三所とは? 全33札所一覧と実際に巡ったきっかけ」
御本尊
法起院では、西国三十三所を草創した徳道上人像が祀られています。
徳道上人は長谷寺の開山としても知られ、西国三十三所巡礼の歴史を語るうえで欠かすことのできない人物です。
観音さまを御本尊とする三十三の本札所とは異なり、巡礼を始めた徳道上人その人を偲び、感謝を伝える場所という点が、法起院の大きな特徴です。
歴史・由緒
法起院は、徳道上人が晩年を過ごした場所と伝えられています。
養老2年(718年)、徳道上人は病によって仮死状態となり、冥土で閻魔大王と出会ったと伝えられています。
閻魔大王から、
「世の中で苦しむ人々を救うため、三十三の観音霊場を巡るよう人々に勧めなさい」
とのお告げを受け、三十三の宝印と起請文を授かりました。
しかし当時はまだ観音巡礼が広く受け入れられず、徳道上人は宝印を中山寺の石櫃に納めました。
その約270年後、花山法皇によって西国三十三所巡礼が再興されたと伝えられています。
徳道上人は晩年、この法起院で隠棲。
90歳のとき、この地から法起菩薩となって飛び去ったという伝承も残されています。
法起院の見どころ
徳道上人像
法起院の中心となるのが、徳道上人像です。
西国三十三所を巡っていると各札所で観音さまを拝みますが、その巡礼の始まりを作ったとされる人物が徳道上人。
法起院では、西国三十三所という巡礼そのものの歴史に向き合う参拝となります。
徳道上人御廟・十三重石塔
境内には、徳道上人の御廟と伝えられる十三重石塔があります。
徳道上人が晩年を過ごした法起院を象徴する場所で、西国三十三所巡礼の祖に感謝を伝える場所でもあります。
上人沓脱ぎ石
境内には「上人沓脱ぎ石」と呼ばれる石があります。
奈良県観光公式サイトでは、この石に触れると願いが叶うと伝えられていると紹介されています。
小さな境内ですが、法起院ならではの印象的な見どころです。
葉書きの木
境内には「葉書きの木」と呼ばれる木があります。
葉の裏を尖ったもので傷つけると文字が浮かび上がることから、「はがき」の語源・由来の一つともいわれています。
葉に願い事を書くと叶うとも伝えられ、葉書きの木にちなんだ「はがき祈願」や「葉書き御守」も用意されています。
長谷庚申・青面金剛像
法起院には庚申堂があり、秘仏の青面金剛像が祀られています。
青面金剛は病魔を退け、健康長寿の御利益があると信仰されてきました。
2026年は10月10日から18日まで「秋の長谷庚申」として秘仏・青面金剛像の特別開帳が予定されています。
御朱印・納経
法起院では、西国三十三所番外札所の御朱印をいただくことができます。
今回実際にいただいた御朱印がこちらです。

中央には力強い墨書と朱印が重なり、西国三十三所の番外札所らしい印象的な御朱印です。
右側には御詠歌も記されており、本札所とはまた違った形で、西国三十三所巡礼の歴史を感じることができます。
三十三の本札所だけでなく、こうした番外札所の御朱印もあわせていただくことで、西国巡礼の成り立ちをより深く知ることができます。
アクセス
公共交通機関の場合は、
近鉄大阪線「長谷寺駅」から徒歩約15分
です。
法起院は長谷寺へ向かう門前町の途中にあります。
そのため、第8番・長谷寺を参拝する際にあわせて立ち寄るのがおすすめです。
駐車場
駐車場:あり
普通車:約6台
と案内されています。
ただし台数が少ないため、混雑時は長谷寺周辺の駐車場を利用する方法もあります。
長谷寺周辺は桜・牡丹・紅葉などのシーズンに混雑するため、公共交通機関の利用も検討すると安心です。
参拝時に知っておきたいこと
法起院は、第8番・長谷寺の参道途中にあります。
境内自体はそれほど広くないため、法起院だけであれば比較的短時間で参拝できます。
ただし、西国三十三所巡礼を始めた徳道上人ゆかりの場所という意味を知ったうえで参拝すると、印象はかなり変わります。
三十三札所をすべて巡ったあとに振り返ると、「そもそもこの巡礼はどこから始まったのか」を感じられる場所でもあります。
第8番・長谷寺の記事と相互リンクを設定しておくと、ブログとしても非常に分かりやすくなります。
西国三十三所まとめはこちら
西国三十三所を巡り始めたきっかけや、全33札所、番外札所、巡礼地図、納経帳などはこちらの記事でまとめています。
「西国三十三所とは? 全33札所一覧と実際に巡ったきっかけ」
実際に訪れた旅行記はこちら
実際に法起院と第8番・長谷寺を参拝したときのルートや周辺観光、食事などについては、「旅する」カテゴリーで順次紹介していきます。
